JOYトレを導入しようか迷われている先生からの相談電話をうけました。
今回のテーマはこちらです。
非予約制→予約優先制への上手な移行
読んでもらいたい方
・まだ予約制を導入していない先生
・これから開業する先生
・予約制に変更しようとしている先生
1.今でも多い非予約制
先生の院は予約制ですか?それとも院に来た順番に治療されていますか?
予約制といっても完全予約制や予約優先制もありますが、
外傷や怪我の患者様を診たい先生は予約優先制にしておき、急な怪我人は優先的に診てらっしゃる方も多いようです。
今でも意外と多いなあと思ったのが、
「うちの院は通院された順番に治療しています」というケース。
それも比較的若い院長先生の整骨院です。
非予約制は天候や患者さんのちょっとした予定、などで来たり来なかったりするわけでおのずと先生の治療計画を守ってもらうのが難しくなる傾向にあります。
この度JOYトレを導入検討されている先生から予約制への変更について質問をいただきました。
EMSは一度に20分から30分電気を当てますから自然と予約優先です。治療は予約制ではないのに、JOYトレだけ予約制。これでは管理がしにくくなります。
予約制ではない先生方の経営方針が比較的似ていて、
・保険がメイン
・長期頻回で経営が成り立っている
・窓口は一律(部位ごとではない)
この三つに当てはまることが多いです。
ではどうすれば今の状態から抜け出して、予約制に変更できるのか。
それも患者の脱落やクレームを発生しないようにスムーズに移行できるのか。
そんな先生のヒントになればと思い、実例を元に紹介していきます。
昔の整骨院は待合室に大勢患者が座っていて、治療をするのは院に来た順番。漫画や雑誌やテレビを見て自分の順番を待っている傾向が強かったです。
ではなぜ最近予約制の整骨院が増えたのでしょう。
その理由はもう明確で、
大勢を診るビジネスは続かない
大勢を診る薄利多売ビジネスから少人数高単価でのビジネスに変わってきたからです。保険で数多く診る「回す」整骨院は今は本当に少なくなりました。
昔は請求できる部位数も多く、大勢を診る=売上が上がるだったのですが、今は請求できる部位数も減ったので保険100%で数多く診ても売り上げが上がるわけではないからです。
あえてビジネスという言葉を使ったのにも理由があります。
先生方は治療家ではありますが、今後も自分の院を経営し続けますよね。だからこそ予約制に変更しようと頑張っているのだと思います。
雨の日暑い日寒い日でも予約の人はしっかりと通院される傾向が高い。先生の肉体的にも精神的にも経営的にも安定します。是非いち早く予約制を導入されてください。
2.絶対NGな予約導入方法
予約制への変更でついついしてしまいがちな方法があります。
当院は○月○日から予約制にかわります。という一方的なアナウンス。
患者からすると
「知らんがな、勝手に変えないでよ」と思われるケースです。
ここで抜けているのが予約制の方が非予約制よりも損しない理由です。
多くの人は理論ではなく感情で動きますよね。私も身に覚えがあります。
食べたらいけないと分かっているけどついつい食べてしまう。
運動しなきゃいけないと分かっているけど面倒くさくて続かない。
大義名分を作ることで予約制への移行は驚くほどスムーズに実現します。
そして一気に大きくシステムを変えるとついて来られない方が脱落します。ただし、あえて一気に大きくシステムを変えることで患者層を絞り込む場合もありますから一概にNGと言っているわけではありません。
今回は誰一人として脱落させないようにゆるやかにシステムを変更していくかがテーマです。
JOYトレ導入を検討されている施設からの質問だったので、何かベッドを占領する新しいメニューを導入する場合はこの方法は丸々そのまま使えると思います。
3.手順「まずはJOYトレを受ける方が予約制の対象」
基本的に全ての患者さんにいきなり予約制への移行は提案しません。
JOYトレをする方から優先的に予約制にしていきます。
JOYトレは20分ですが、パッドをつけたり外したりの時間がありますので予約枠は30分にします。
そして、治療はJOYトレ前に受けてもらう方がJOYトレの効果を実感しやすくなるのでJOYトレの予約時間の前に患者さんに治療の予約をとってもらうようにします。
なぜ効果を実感しやすくなるかというと、JOYトレを含むEMSは正しく使うと体幹部分に刺激が入ることでその瞬間に姿勢が良くなったり、腸腰筋への刺激が入ることでスタスタ歩きやすくなったりします。
これがEMSの後に治療をしてしまうとそのままベッドの上に寝た状態で治療を受けるわけですからEMSの効果を実感しにくいのです。
効果を実感しにくいということはお試しから本コースの提案が受けてもらいにくくなります。
先生の治療が普段20分かかるのならばJOYトレ予約の20分前に来てもらいます。
伝え方は
「JOYトレは一回30分ほど時間をいただくので皆さんをお待たせしないよう予約した方が先に受けられるように特別予約制にしています。そして、治療をしてからJOYトレの方が効果を実感しやすくなるので次回はJOYトレの前に治療をお受けいただきますね」
丁寧に説明するとこんな感じです。
えっこれだけでうまくいくの?と思われるかもしれませんが面白いくらいにうまくいきます。ぜひやってみてください。
うまくいく理由ですが、その患者さんは初回のJOYトレを提案してきた先生のオファーを聞き入れられた方、
つまり、先生を信頼し先生の助言を聞き入れられる方だからです。
一つ注意点があります。
特に非予約制の先生の場合、JOYトレは初めからいつでも受けられるよう全部の時間でスタートするのではなく、
比較的患者さんが少ない時間帯からスタートして運用方法を確実に自分のものにしてからJOYトレを受けられる時間幅を増やしていく方法をお勧めしています。
大切なのは一気に大勢の方にJOYトレを受けてもらうより、一人一人確実に効果を実感してもらうことですので。
たっぷりと時間と気持ちに余裕を持たせた運用を心がけてくださいませ。
これでJOYトレを受ける方への予約制の案内は終了です。
4.手順「次にJOYトレを受けない方へ予約制の案内」
次にJOYトレを受けない方への予約制への案内です。
ポイントは、「損したくない」という気持ちを刺激する方法になります。ちなみにこれらの方法はこれまでに成功している実例が元になっているので再現性は高いと思いますよ。
JOYトレを受けないかたの目線で解説しますね。
自分の方が先に整骨院に来たのに、事前に予約をしていた人が自分を追い抜いて治療を受けることができるのを目の前で見るとどんな気持ちになりますか。
多くの人が「あの人順番抜かししてせこい」です。
自分はご飯屋さんの外で長い時間待っているのに、後から来た人が自分より先にお店の中に入っていくのを見るとイラッとしますよね。
口には出さなくても、なぜあの人は遅れてきたのに自分より先に治療を受けることができるのかって思うのです。
なのでその心理を利用します。
伝え方ですが、
「新しく始めるJOYトレというメニューが20分ほど時間をもらう関係で、予約制になるんです。JOYトレを受ける方は先に待っていた方より優先的にベッドにご案内することが今後増えると思います。皆様もお忙しい日や待ちたくない日には治療時間の予約が取れるようになりましたので利用されてください。予約されない場合にはお待たせしてしまうことが多くなるかもしれませんが、○○さんはどうされますか?」
選択肢を患者さんに提案されると良いと思います。
予約するのも自由、予約しないのも自由
それをルールで一律完全予約制にしてしまうのは要注意ですね。
人は得するよりも損したくないという感情の方が強く出るのでそれを利用すればうまくいくことが多いようです。
あとは自分の意思で決めたということで選択肢を患者さんに提案するのもお勧めです。
本当はもっと細かくお伝えしたのでこの間は2時間ほど電話で話をしました。
細かく聞きたい方は遠慮なく聞いてくださいませ。
というわけで今回は非予約制から予約優先に変えていくための方法でした。
では!