超音波

超音波は温熱効果と音圧効果の二種類を組み合わせた治療機器です。
近年骨折治療器用の低出力超音波もありますが、この項では最大6㎝まで届き、深部へのアプローチが可能である出力の強い超音波機器について取り上げてみます。

超音波の仕組み

私が伊藤超短波㈱に努めている時は超音波について大きく二つの意見が出ていました。

「超音波最高」と言ってくださる先生
「超音波は効果が無い」と言われる先生

同じ機械を使うのになぜこんなに評価が大きく分かれるのか。

それは超音波の運動エネルギーの特性も絡んでいます。

超音波は

・周波数
・Dutyサイクル
・出力
この三つを組み合わせます。
また、プローブの動かし方一つで効果の差が大きく出てくるの

が超音波の特徴です。

超音波の施術①超音波の施術②超音波の施術③

どれだけ周波数、Dutyサイクル、出力の三つの組み合わせが正しくても超音波プローブを広範囲に動かしていると超音波のエネルギーは減衰してしまい効果を期待できなくなります。
昔は広範囲でプローブを移動させて使っていましたが、プローブの精度が上がってきた昨今ではピンポイントで使っていただくことを各メーカーは推奨しています。

超音波施術風景

・周波数
1メガヘルツ、3メガヘルツの二種類に分かれます。
1MHzで一秒間に100万回、3MHzで一秒間に300万回のミクロマッサージ効果を期待できます。

手をこすり合わせると温かくなるように、この超音波の振動で熱が発生します(ジュール熱といいます)
深部まで届くのは1メガヘルツです。
3メガヘルツの方がイメージとして深部まで届きそうですが、周波数と深部到達度は反比例します。
表層を狙いたいのか、深層を狙いたいのかで選択していただくのが周波数です。
分厚い筋や深部の神経を狙いたい場合は1メガヘルツを使います。

周波数

・Dutyサイクル
100%、50%、40%など変更することができるのがDutyサイクル。
100%は終始ミクロマッサージが発生しますので手をこすり続けている状態です。
温熱効果が最大に出ます。
逆に10%や20%は熱転換してはいけない場合に選択されます。

超音波+電気刺激のコンビネーション治療
超音波療法と電気治療を組合せて行う治療方法です。通常、超音波治療法は治療感覚のないことが多いですが、電気治療を組合せることにより、患者様の治療部位での反応をみることができ、確実に治療を施すことができます。
また、超音波のマイクロマッサージ効果と電流の鎮痛作用により、血行を促進し、疼痛を鎮めることで短時間での治療が可能です。

Dutyサイクルf2超音波+電気刺激のコンビネーション治療